2022/05/19
黒糖といえば普通の砂糖に比べてミネラルが多くて体に良いと言われていますね。また、糖の成分の吸収が穏やかなので血管や体に負担がかかりにくいそうです。
甘いものは食べたい、でも体は大事にしたい。なんていうそんな願いも黒糖なら叶えてくれるかもしれません。そんなわけで、摂取するお砂糖の一部を黒糖に変えてみるのはどうでしょうか。
ここでは黒糖についての簡単な説明と食べてみて美味しかった黒糖のお菓子を紹介します。
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黒糖または黒砂糖とは
さとうきびの搾り汁に中和、沈殿等による不純物の除去を行い、煮沸による濃縮を行った後、糖みつ分の分離等の加工を行わずに、冷却して製造した砂糖で、固形又は粉末状のものをいいます。
日本黒砂糖協会ホームページより引用
要するに呼び名が異なるだけで黒糖と黒砂糖は同じものを指すようです。
ものすごく単純に表現すると、黒糖や黒砂糖はサトウキビを煮詰めてそれを黒糖として商品にしている物のようです。
そんな理由で純粋な栄養価の高い黒糖をお求めの方たちは原材料にサトウキビと表示されている黒糖を購入するようです。
では加工黒糖は?
原料糖(粗糖)、糖蜜等に黒糖又はさとうきびの搾り汁を配合し、夾雑物の除去を行い、煮沸による濃縮を行った後、冷却して製造した砂糖で、固形又は粉末状のものをいう。また、加工黒糖の黒糖使用割合は、製品重量に対して5%以上とし、黒糖の代わりにさとうきびの搾り汁を使用する場合は、さとうきびの搾り汁中のしょ糖分重量にて読み替えるものとする。
日本黒砂糖協会ホームページより引用
パッと見ただけでは意味がわからなかったので、細かく解釈しつつ読んでみます。
原料糖って何?
砂糖の原材料を煮詰めた後のドロドロの物体を遠心力とかで処理を施して液体と結晶状の成分(固体)に分けた後の結晶状の方を指します。
糖蜜とは?
上の原料糖を作るときに出てきた液体の部分のことです。普通の砂糖を作るときには使用されない副産物のようです。通常の砂糖の製造に使用されることがないために廃糖蜜などと呼ばれることもあるようです。
この糖蜜を除去することなく含んでいるお砂糖が含蜜糖(がんみつとう)に分類されていて簡単に言うとミネラル分が多くて栄養価が高いとされているお砂糖です。黒糖やメープルシロップはこれに分類されます。
参考URL
夾雑物とは?
余計なもの、不純物といった意味の言葉ですが黒糖製造の場合は何を指すのかが分からなかったので調べてみました。
はっきりと明言されているところは見つかりませんでしたが、サトウキビを絞った後と煮詰める工程の間に取り除かれるものはサトウキビの細かい繊維と煮詰めた際に出てくるアクがあったので恐らくそれらのことを指していると思われます。
加工黒糖を簡単に説明すると
以上のことから簡潔に説明すると加工黒糖はサトウキビを煮詰めた後の液体を遠心力で分離して取り出した結晶状の糖分に本来の黒糖を混ぜた砂糖のこと。その混ぜられた黒糖が全体の重量の5%以上含まれているものは全て加工黒糖という名称になります。
つまり配合の割合は分からないけど少なくとも黒糖が5%以上含まれている砂糖と考えてよさそうです。
製品にもよりますが細かく配合の割合が表示されていて黒糖が60%なんて表記されている場合もあるので加工黒糖だからといって全て黒糖が少ししか入っていない訳ではないです。考え方によっては黒糖特有の風味が苦手な方でもうまく配合してくれている加工黒糖ならば味のクセが少なくて、おいしく食べられるという可能性があるということなので成分表示をしっかり見て自分にとって良い黒糖製品を選ぶことをおすすめします。
参考URL
サトウキビの主な栄養素
各種ミネラル、ビタミンB1・B2、鉄分、カルシウム、カリウム
不足しがちな栄養素がいろいろ入っているので、このまま体に取り入れることができたら体に良さそうです。
黒糖を食べるのであればこれらの栄養素を摂取できていると考えても良いと思います。では多少の精製という加工を加えられているきび砂糖と栄養素を比較してみました。きび砂糖は黒糖と同じサトウキビから作られた砂糖で違いは精製というサトウキビの成分を分離する加工を加えられているという点です。ちなみに完全に精製された砂糖は真っ白いお砂糖になります。
黒糖 | エネルギー | 炭水化物 | 水分 | タンパク質 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | |
354kcal | 89.7g | 5.0g | 1.7g | 27mg | 1100mg | 240mg | 31mg | 31mg | 4.7mg | 0.5mg | ||
きび砂糖 | エネルギー | 炭水化物 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 銅 | |||
396kcal | 98.8g | 10~30mg | 142mg | 10~35mg | 3~20mg | 11mg | 0.15~0.45mg | 0.05~0.30mg |
カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛の数値が黒糖の方が明らかに大きいです。原材料の産地や加工方法によって多少の違いはあるかもしれませんが、
精製するとこの程度の栄養素が失われていると考えて良さそうです。精製の途中で煮詰めて砂糖にしたきび砂糖でさえこれほどまでにも栄養素の減少があるので白いお砂糖はさらに少なくなっていると考えられます。
加えてビタミンB1やB2、カリウムなどが水溶性なので固体と液体に分離する過程でも既に栄養価が低くなってしまっていることでしょう。水溶性ということは水分に溶け込みやすいので液体である糖蜜の方にそれらが多く含まれていると思うからです。
同じ砂糖を食べるのなら、できれば栄養が多い黒糖を選びたくなりました。
黒砂糖ときび砂糖の栄養素の数値の参考
黒糖味のお菓子
食べてみて美味しかったものだけ紹介しています。見つけ次第、増やしていたいと思っています。
もへじ黒糖かすてら
スーパーでワゴン売りされていたのを見かけて購入しました。ひとつずつ袋に入っているので乾燥の心配がなくて地味に嬉しいです。
しっとりした和風の味です。黒糖の甘さを強く感じます。パクパク食べると口の中で黒糖の味がじゅわじゅわと広がって美味しいです。
黒糖特有の香りはそれほど強くはないので万人が食べやすいように風味をちょうどよく調節されているようです。
黒糖味の長崎カステラもおすすめです。こちらは洋風寄りだと思います。
もへじ 黒糖棒
黒糖の風味たっぷりなふがしです。
棒の横に黒糖がびっしり張り付いていて甘いです。普通のふがしみたいに軽い食感というよりは厚みがあってふかふかした食感でした。
5つに切ったロールケーキ黒糖 ヤマザキ
これはたびたびスーパーで見かけますね。ただ、黒糖味は試したことがなかったのでこの機会に試してみました。100円台のロールケーキで黒糖の味が出せるのかと疑問に思いましたが、意外にもちゃんと味に黒糖が主張しています。
裏の原材料を見てみるとグラニュー糖が多いものの、しっかりと黒糖蜜も入っていますね。
上で説明していますが、糖蜜は加工黒糖を作るときに途中で分離された液状の成分の方のことで砂糖の精製途中で取り除かれる部分であるだけで原材料は黒糖と同じサトウキビなのです。
当然、その黒糖蜜のみでは美味しくはないので味を整えるためにほかの砂糖を足して調節をしているのでちゃんと黒糖の味がするロールケーキに仕上がっているわけですね。ほかの砂糖の分もあるので健康的とは言えないかもしれませんが安価で手軽に黒糖の味を楽しめるという意味では良いと思います。
もっちり、おいしい。