2022/05/19
バイキング、ビュッフェ、バー、呼び方の違いはありますが食べ放題式の飲食のお店で繁盛しているところには共通する特徴があると私は思います。
それは、このバイキングは150品もあります。や300種類の食材が使われています。などという品数の豊富さではありません。
また、○○フェアや○○の国の料理などといったもの珍しいメニューがあるからといってそれだけを目当てにくるお客さんはそれほど多くありません。
それらは大きな文字で広告に載せられて大々的に宣伝されています。しかし、現にそれだけではお客さんの心を引き付けることはできていないはずです。
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並んでいる料理の鮮度、温度が良い
料理は食材の良さや味付けも大切ですが、鮮度と適温で食べるかも美味しく感じるためにはとても重要な要素となります。ライブキッチンとかでオムレツやラーメンが人気なのは鮮度と温度が良くて美味しく感じるせいでしょう。
温かくて湯気が立っている、色鮮やか、みずみずしい、冷たいものはひんやりしている。材料は同じでも、それだけで、料理は数倍も美味しく感じるものです。
特に飲食店の場合は美味しさ=満足度といっても過言ではないでしょう。
例えば、端が枯れているレタス、乾いてしまった大根、そのように明らかに時間がたちすぎているサラダよりも洗ってきたばかりのみずみずしい生野菜が出てきた方が食べたいと思うのは自然なことでしょう。
よくスパゲティもソースが乾いてカピカピになってもそのまま提供されていることが多いです。麺が伸びているのは仕方がないとしてもです。
揚げ物の場合は大量にあげてずっと放置されていて温度が冷めて硬くなったり、油臭くなっていたりする場面が多いです。
どれも一気に作って放置しているから起こるのです。小分けに短いスパンで提供してくれれば美味しく感じて満足度も上がるのに残念でなりません。
もっとひどいのは保温用気も用意しないでせいぜい陶器の皿に煮物などをのせて絶妙なぬるさになっているときです。古いうえに適温でないともう料理が美味しく感じられる要素がありません。せっかく食べに来たのに興ざめもいいところです。冷めるのはしょうがないにしても、せめて温めなおせるコンロの上に載せておいてほしいものです。
作った時は美味しい料理でも放置しすぎて乾いてしまった状態でお客さんが食べる機会があるとあの店の料理はマズい。と思われかねませんよ。
美味しいうちに売り切れる場合は新しいものが運ばれてきても、時間で明らかに劣化しても料理を放置しているバイキングはとても多いです。経費の問題でケチっているのかもしれませんが、時間を決めて小分けに取り換えることで材料の損耗はかなり抑えることができるはずです。
頑張るところがそもそも的外れなのです。古くなってもいつまでも取り替えないで材料をケチケチするのではなく、古くなって売れ残る料理を減らせばよいのです。
そんな工夫をするだけで他のバイキングやビュッフェよりも人気を出すことができる可能性がかなり高くなります。
なにせやっていないところがほとんどですから。
売り切れた料理の補充が早い
あれこれといろんな料理を楽しんでいるうちに気に入ったものを見つけて何度もそれを取りに行って食べるのはバイキングではよくあることだと思います。みなさんも心当たりがあるのではないでしょうか。
そのときにもう一度食べたくて取りに行ったメニューが売り切れていて、それが待っていても30分も1時間も経ってもまったく補充されずに売り切れたままであったとするとみなさんはどう思うでしょうか?
残念だなというがっかりした気持ちを抱いた印象が強く残ってしまうことでしょう。もしかしたら料理の補充がサボられがちなサービスの悪い店という印象を抱くかもしれませんね。
そんな感想を持たれるとまたお店に来てくれる次の機会が来なくなる可能性があります。お店にとってはマイナスでしかありません。
売り切れているのなら言ってくれればちゃんと出すのにと思っている方もいるかも知れませんが、大抵は空っぽになった皿の前でがっかりしたり、もじもじしたりした後にお店の人には告げずに席へ戻っていく人が多いです。奥ゆかしいと言われる日本人ならではかもしれませんが。
というわけで大抵の人たちは言わなくても売り切れたそれを補充してほしいと不満に思っていることがかなりあります。
潜在的に不満を抱いているお客様を減らすためにも、それならばせっせと確認しては取り替える仕組みを作って対応したほうが良いはずです。
並んでいる料理が綺麗な状態で保たれている
バニラアイスのはずなのにとなりのチョコアイスの跡が付いている。最初は四角いプリンだったはずなのにあちこちから崩されて細切れになったサイズのプリンが容器の中に散りじりになっている。
イメージが悪くないですか?それらは汚くなかったとしてもなんとなくまずそうな印象を受けるはずです。
バイキングでは料理を取り分けるのはお客さん自身なので、どうしてもかき混ぜ気味に料理をよそっていく人もいますし、手が滑って隣の容器に別の料理を落としてしまう人もいることでしょう。
したがって大皿の中の料理が並べ始めた時のまま綺麗だとは限らないのです。厄介なのはそうして見た目が悪くなると途端にまずそうに見えたりします。
結果、それだけでその料理の売れ行きが悪くなることです。お客さんに食べてもらえない物は廃棄処分なのでなるべく食べてもらった方が良いに決まっています。
そのような汚らしい印象になってしまったものは一定時間ごとに取り除いた方が良いでしょう。古くなったわけではないので何もすべてを取り替えろと言っているのではありません。
例えば様々な色のアイスが混じって汚れてしまったものは混ざってしまった箇所だけ削り取って廃棄すればよいのです。
料理を取りに行く道が最低限2本以上ある
これは料理自体ではなく料理を並べる間取りの問題です。混んでいてある程度料理をとるまでに時間を要するのは仕方がないと誰もが思っていますが、1本道で食べたい料理の手前にある人だかりで自分がその料理を取りに行けないことだと少なからずイライラする人は多いです。
そして早く食べたいのに取りに行きずらいなという気持ちが少しずつ心に溜まっていき、そのバイキングに行くことが億劫になってしまう可能性があるのです。
それにお客さんがなかなか食べ終わらないので、純粋に回転率が下がります。料理を取りに行くためにかかるロスタイムが多すぎるのに早く食べ終わるわけがないのです。
うちは時間制限を設けているから大丈夫。なんて思った方はいませんか?その場合でも残念ながら、マイナスになる要素が現れてしまいます。
お客さんが無意識に感じる思ったより食べられなかったなという不満感や、自分には時間が足りないからここのバイキングにしなくていいやという感想を持ってしまうのことがあるのです。
これらは本人たちが意識せずとも自然とあなたの店から遠ざかっていく原因になるのです。
最低でも、料理を並べている場所から席までへの道は2カ所は用意していないと、行きのお客さんと帰りのお客さんだけで大渋滞になりますよ。
加えて、混雑しているときに人が溜まる個所は何らかの順路の変更を施した方が良いと私は思います。
また、取り分けるのに時間がかかる料理を一カ所に集めすぎると通路が多くても人の往来が偏って渋滞を起こしてしまうことも多いです。例としてはコーヒーメーカーとティーパックコーナーを同じ場所に置くとかですかね。誰かがコーヒーを抽出している間は他のお客さんはティーパックをとれないわけですからたびたび待たされるわけです。スープバーとかも腕を横に突き出してお玉でスープをよそうわけですから、右隣のすれすれに他のものを置いてもスープをよそう人と同時に隣の料理を取るのは接触事故の危険性があるのでおすすめしません。
その場合は通路の幅を広めにとるかその料理たちを分散させて配置しましょう。
バイキング会場の人の動線に配慮することについては、ちなみにお客さん側だけでなく店側にもメリットがあります。なぜなら店内の動線がスムーズだと混雑時に苦労して人をかき分けて料理などの補充業務をしなくて済むからです。
上述しました通り、通路が適切でないつまり動線への配慮が無いと少しの人数で簡単に渋滞を起こしてすぐに人だかりができます。そうするとお客さんが通りづらくてストレスに感じると述べましたが、ストレスに感じるのは同じようにその通路を通って配膳をするお店のスタッフも同じことなのです。
さらに言うと、混雑していて通りにくい分待ち時間が発生して同じ作業をするのでも単純に効率が悪いです。本来はささっと移動してお皿を補充するのでも進みたい道でお客さんが人だかりになっているので終わるのを待ってから……なんてやっていたら素早く作業するなんて到底できません。
「失礼します。通ります。」なんて言って、お客さんを押しのけていくから大丈夫だし。とか思った方はいますか?押しのけられて良い気持ちをする人間はいませんし、万が一にもぶつかって物を落としてしまっては危ないのでやめた方が良いですよ。
そんなことよりも通路が狭すぎないか、少なすぎないか、物の配置が偏りすぎていないかを確認してみましょう。
人の動線に配慮されているバイキング会場の方がより人気が出やすいです。
実行したらきっと、うまくいきます
根拠は少なくて信じられない方もいるかもしれませんが、活気のあるバイキングレストランと人気のないバイキングを比べてみたらおのずとわかるはずです。
管理者の方がいらっしゃいましたらぜひやってみてください。損はしないはずです。
たくさん動いて疲れるなと感じる飲食関係の方も動線や通路についてはよく観察してみることをおすすめします。間取りの良い店舗で働くと同じ仕事でも楽に感じるはずです。