2022/05/19
閉鎖的な空間にずっといると気分が落ち込んだり、外へ出て気分転換をしたくなったりしませんか?
このようによどんだ空気の中にいるとなんとなく気分が良くないことはみなさん経験があるかもしれませんね。大した問題ではないからとわざわざ換気に注意している方は少ないかもしれません。
そのためか特に職場ではたいして対策がなされていないことも多いです。
しかし、なんとなくでは済まされない影響が私たちの体には出てしまっているのです。
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空気を整えるメリット
ただ、良い感じがする、居心地が良い以上に科学的にメリットがあることが実験で分かっています。
作業効率が上がる
より良い空気を吸うと、研究参加者たちの意思決定パフォーマンスが著しく改善することが明らかになった。
中略
テスト結果が最大の改善を示したのは、いかに情報を使って戦略的決定をするかを試す分野と、危機の最中にいかに計画を立てて覚悟を決め、戦略を練るかを試す分野だった。
中略
オフィス内の空気の質を改善すれば、従業員の認知能力の改善を促進しうる。
つまり、よどんだ空気で作業をすると頭を使う仕事の全てに悪影響が出ます。それを積極的に防ぐだけで、特別な工夫をしなくとも作業効率を向上させることができるのです。
頭脳労働が中心になるオフィスをこもった・よどんだ空気にしておくこと自体がそこで働いている人、経営者の人たち全てが損をしているのです。
精神が整うので人間関係を円滑にできる
空気がよどんでいる・汚染されていることで起こる酸素不足・汚染物質の吸引は体への負担になります。
いきなり病気にならなくとも、体への不快感や不調は確実に助長しています。
体調が悪いときに人にやさしくできますか?相手の気持ちについて考える余裕がありますか?
かなり難しいはずです。例えばみなさんも体のどこかが痛いときにイライラして冷静な判断ができなかったことは経験したことはありませんか?
人は誰しも、自分に余裕が無いと人にやさしくすることはできないのです。
よどんだ空気の中にいて黙っているだけで負担がかかっているのに、その上でお互いを思いやることは体や心が負担に耐え切れないので難しいのです。
空間の空気が良い状態だとこの余計な負担を体に抱えずに済みます。
その余裕を相手への配慮にまわすことができます。
よって人間関係がうまくいきやすいと言えるのです。(本人の性格にもよりますが穏やかな気分を保ちやすいので寛大になれます。)
よく分からない不調が治るかも
ごく一般的な基準が満たされている限り、空気の質は重要な問題でないと思われがちだ。だが、この基準があまり高くないのだ。たとえば、室内換気を規定する国際共通基準の1つ、「許容室内空気質のための換気(Ventilation for Acceptable Indoor Quality)」は、“健康に良い”空気の質を確保しようとすらしていない。
中略
気量、すなわち屋外から取り込まれる新鮮な空気の量は、健康の重要な決定要因だ。通気性がよければ、シックビルディング症候群が改善し、常習的欠席が減るうえ、伝染病の感染率も低下することが実証されている。
シックビルディング症候群とは
換気の悪いビルの中にいることで起こるさまざまな病気・症状。目・鼻・喉の痛み・頭痛・吐き気・めまいなど。
頭痛やめまい、のどの痛みは現代人によくある悩みだと思います。たくさんの人が困っています。
もし、その原因が分からないのであればこのよどんだ空気のせいかもしれません。
同じ建物に入ったら必ず症状が出る、同じ時間帯になったら具合が悪くなる場合は可能性が高いかと思います。
職場を変えるだけで不調が治ることがあるのはストレスだけでなく、シックビルディング症候群も原因である可能性があるのです。
換気しないとカビやダニが増える
室内湿度が60%を超えると、カビが繁殖しやすくなります。
カビが繁殖するとダニが繁殖しやすくなります。カビは空気の澱んだところに発生しやすいのです。
場所にもよりますが、基本的に空気の流れが少ないところでは湿気がある・ないに関わらず、カビが増えやすいです。
目に見える程度まではいかなくとも、カビの胞子が風で流れずにたまっていきます。
それを人が吸って具合が悪くなるということは十分に起こりえます。
カビは肺炎の原因にもなるので気を付けるべきです。
良い空気の状態とは
大気中の化学物質については諸説あるので言及が難しいのですが、確実に言えることがあります。
酸素濃度は一定以上に保つ方が良いということです。
逆に、人の呼吸で空間の二酸化炭素の濃度が高くなっても眠くなったり、集中力に悪影響が出ます。
とりあえずこの2つについて気を付けるだけでも環境はかなり良くなるのです。
よって十分な酸素濃度を保つための空気の入れ替えはするべきなのです。
換気の方法
空気の入れ替えには換気です。定期的に窓を開けたり、換気扇を入れたりします。区切られた室内で高くなった二酸化炭素濃度は外の空気と入れ替える方法が手っ取り早いです。
要はずっと閉め切った室内にいることが問題なのです。
室内と外とで空気の循環が起こるようにしましょう。
職場で満足に換気ができない場合は?
アロマオイルを利用する
オフィスに開けられる窓が無いという方はアロマオイルでケアをしてみてはどうでしょうか?
空気中のカビやウイルスの活動は特定のオイルで抑えることができるのです。主なものとしては殺菌効果のあるティーツリーやミントなどです。
また、なんとなくやる気が出ないなーとだらだらと仕事をするタイミングでさっと香りを嗅いで気分を切り替えることにも使えます。
こちらはすっきりした香りで気分を高めるものが効果的です。
例えばオレンジやユーカリなどです。作業の前にやる気を上げるときにも使えます。
気分が落ちること、カビやウイルスが増えやすいことに対処ができれば、よどんだ空気から受ける悪影響を減らすことができます。
人口密度の低いところで休憩する
アロマオイルは気分とカビやウイルスからの悪影響の対策になりますが、酸素濃度はどうにもなりません。
そこで、外の空気に触れることができる場所があるのなら休憩時間やトイレ休憩を取って積極的に通って深呼吸をしに行きましょう。
それも無い場合は室内でもなるべく人口密度の低い場所へ行って数分で良いので休憩しましょう。
人が少ない空間の方が二酸化炭素濃度が低いので、人が密集したデスク周辺よりは酸素を取り込めるはずです。
換気はこれほどにも大切な行動だったのです。
空気の良さは作業効率や健康に強く影響するのでみなさんも気を付けてみてください。
管理者の方は仕事の効率を上げるために個人の能力に頼るよりも、空気という環境を整えることをぜひおすすめします。
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